事実証明と行政書士

行政書士とは!

行政書士は、行政書士法に基づき事実証明に関する書類の作成を業とすることができます。

その事実証明に関する書類を作成するプロが事実そのものを証明するのが事実証明です。

行政書士の歴史 !

行政書士は、明治の時代に警察代書人(行政代書人)としてスタートし警察署の前で告訴状等の作成などを担当してきました。それから歴史を経て、幾度もの行政書士法の改正によって現在の街の法律家としての制度が確立してきました。

行政書士の業務については行政書士法に定められている。

行政書士法の二「行政書士は、他人の依頼を受けて報酬を得て、官公署に提出する書類(省略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(省略)を作成することを業とする。」

法一条の三は「・・官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等(行政手続法第二条第三号に規定する許認可等及び当該書類の受理をいう。)に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(省略)について代理すること。」と定め、一条の三第二号には「・・契約その他に関する書類を代理人として作成すること。」と規定されている。行政書士業務の主目的は、ただ単に書類を作成し提出するのではなく前記条文記載のごとく、行政手続を代理人として行い、依頼者の権利利益の為に行政庁から許認可等の行政行為の結果を得ることと、あわせて契約代理等の業務を担い、国民の利便に資することである。

行政書士は法律家!

行政書士法に定められている通り、行政書士は、依頼人に代理して法律行為を代わって行う法律家なのです。

行政書士は、法律行為の代理のみではなく、書類の作成という事実行為を依頼者に代わって行うことも当然に重要な行政書士業務です。

行政書士業務を分かりやすく整理すると。

①書類作成業務(書類作成=事実行為を代わって行う)

1官公署に提出する書類の作成

2権利義務に関する書類の作成(契約書等の作成)

3事実証明に関する書類の作成

②代理業務(法律行為を代わって行う)

1官公署に提出する手続代理

2法律行為の代理業務(契約交渉代理等)

③事実行為に関する業務

1事実実験保全証明書の作成

行政書士と他の法律資格との比較は!

行政書士は、争訟性のある法律事務の代理は扱うことができませ(弁護士法72条)が、できないことは扱わなくて良い意味でもあります。煩わしい他人同士の争いごとに関与しなくて良い士業でもあります。

・ 法律専門資格には、未来を見つめて業務を行う資格と過去を見つめなおして業務を行う資格とがあります。弁護士、税理士、司法書士は全て過去を見て日々の業務を行います。しかし、行政書士は、許認可申請、予防法務、事実証明等の殆どが未来を見つめて業務をこなします。弁理士も特許ですから未来を見つめて業務をこなします。

未来を見つめて生きるか、過去を見つめて生きるかはその人の人生観です。

■さらに、法律家としては弁護士と行政書士を比べると面白いと思います。刑事事件について弁護士は加害者の味方です。しかし、行政書士は告訴状を通じて被害者の味方をします。

さらに、民事では、弁護士は人の争いごとを扱い代理人として紛争の渦中に入ります。行政書士は、争い事は取り扱わず、争いを予防する方策を考え対処します。

所長の私は、紛争を予防し、被害者の味方をし、未来を見つめて生きたいので行政書士に成ったのです。

■司法書士と行政書士とは、同じ代書人でも大きく異なります。司法書士は、法律家といっても登記を生業としている士業です。争訟性のある法律事務も目的価額が140万円を超えない案件のみを処理できます。それに対して行政書士は、争訟性のある法律事務は取り扱いできませんが、示談書、遺産分割協議書、離婚協議書の作成を業と知ることができます。その事務は、法律行為の代理ではなく、書類作成という事実行為を代行するもなだから行政書士が「権利義務に関する書類の作成」として扱うことができます。司法書士と行政書士のどちらが街の法律家であるかとの愚問を投げかける者もいますが、どちらも街の法律家だと思います。